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野外劇は最も有効な1つのモデルとなるんじゃないかと思っております。
マネージメントというのは、読んで字のとおりでございまして、これは多少かたい言葉でございまして、管理、経営という意味が当然あるわけでございます。じゃ、マネージャーとなりますと、管理者、経営者ということになるわけでございますが、普通は支配人とか管理人、監督などという意味がございます。ですから、アートマネージャーというのを芸術管理人というふうにとらえてしまうと、ちょっと難しいんじゃないかなという、そういう感じを私は持っております。やはり芸術経営という言葉の方がまだしもかなという感じがします。経営というのは、工夫を凝らして物事を営むということもございますし、また経営学には、企画経営の経済的、技術的、人間的側面を研究するということもありますから、やはりある程度経済にかかわった芸術経営を進めていく、そういうことでアートマネージメントというものを考えてもいいんじゃないかと思います。正確にはアーツマネージメントでございます。つまり、さまざまな分野の芸術に関して、「創り人」と「楽しみ人」をうまくつないでいく形で経営していくことがアーツマネージメントであり、それをする人をアーツマネージャーというふうに言えるんじゃないかと思います。
そんなことでございますので、「人間の共同生活の基礎をなす物質的財貨の生産・分配・消費の行為・過程・並びにそれを通じて形成される人と人との社会関係の総体」とも言われる経済との強いかかわりは否めないと思います。ありていに言うと、ホールにおけるアートマネージメントも、最終的には経済とのかかわりというものを重視し、そこにおける芸術事業というものが文化産業として成立する方向を目指す。これは非常に今日的に重要な課題じゃなかろうかというような気もするわけでございます。とかく公立文化施設においては、親方日の丸的なバックグラウンドもありまして、その面での考え方がなかなかとりにくいという点もあろうかと思いますけれども、これからはやはりそういう方向で考えていくというところの1つの今日的な要請もあるんじゃなかろうかというような気がしております。
でも、できれば、芸術管理じゃなくて芸術経営、もっと言えば、アーツコーディネーションというような考え方が一番妥当じゃないかという気がします。コーディネーター、つまり、芸術にかかわるアーチストと、それから行政や企業や市民との間をつないでいくお世話役の仕事。そういう意味では、アーツコーディネーションというのが一番適切だろうと思いますし、アーツコーディネーターとして仕事をしていくということが一番妥当ではなかろうかと思います。しかし、言葉の意味づけなどに余りこだわる必要もないと思いま

 

 

 

 

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